以下のコラムで税務調査の対策方法をご紹介しました。税務調査では、調査官が訪問するまでに事前準備が必要です。
税務調査の対策方法のコラムについてはこちら↓
『突然の電話⁉︎税務調査にどう立ち向かう?:専門家が教える税務調査対策のコツ』
事前準備で行う書類の整理では、どの書類を整理すべきか?を理解しておく必要があります。
しかし、いざ整理しておいたのに調査官に指摘されたなどの経験をしたことがありませんか?
前回までのコラムでは『税務調査の準備リストと対応方法〜会計・財務関連書類編〜』と『税務調査の準備リストと対応方法〜取引関連書類編〜』で書類別にご紹介しました。本コラムでは引続き、税務調査の必要書類等の準備リストのうち人事・給与関連書類についてと指摘されない対応方法などをご紹介したいと思います。
人事・給与関連書類
人事・給与関連書類については、以下の書類を準備しましょう。
- 給与台帳/賃金台帳
- 源泉徴収簿
- 扶養控除申告書
- 年末調整関連資料
- 給与支払明細
- 社員名簿
- 出勤簿またはタイムカード
- 雇入関係書類
- 退職給与受給申告書
⭐︎知っておきたいポイント!
給与関連書類は特に重要です。給与支払いの根拠となる資料をすべて揃え、不明点がないよう整理しておきましょう。
税務調査では、調査官の指示に応じて必要な書類を提出することになります。また、調査期間中に頻繁に使用する書類や使用予定のある書類については、あらかじめコピーを取っておくことをお勧めします。
税務調査で指摘の多い重要な書類
給与台帳および源泉徴収関連書類
給与支払いと源泉徴収は頻繁に指摘される分野です。特に役員給与や従業員の給与計算、源泉徴収額の正確性が重点的に確認されます。
これらの書類は税務調査において特に重要であり、不備や不自然な点がある場合、詳細な説明を求められる可能性が高いです。したがって、日頃からこれらの書類を適切に管理し、正確に記録することが重要です。
税務調査で指摘される書類の不備についての具体例
賃金台帳の不備
- 記載事項の漏れ(従業員の氏名、賃金計算期間、労働時間等)
- アルバイトや非正規社員の記載漏れ
- 給与計算の誤り(残業代の未払いなど)
これらの不備は、単純なミスから意図的な不正まで様々です。賃金台帳は、全ての従業員(パートやアルバイトを含む)を記載対象とすることや必要事項を漏れなく記載することが重要です。
まとめ
本コラムでは、税務調査の事前準備における必要書類の準備リスト〜人事・給与関連書類編〜と対応方法についてご紹介しました。
人事・給与関連書類のうち、特に給与関連書類は必要事項を正確に記載し、記載漏れがないことが重要です。
賃金台帳や出勤簿等は、労働者を雇用する事業者は適正に整備し保存することが義務付けられているため、日頃から正確かつ詳細な書類を作成することが必要不可欠になります。
書類に不明な点がある場合には、早めに税理士等の専門家に相談しましょう!
次回コラムでは、税務調査の準備リストについての最後の準備書類となる『税務調査の準備リストと対応方法〜仕入・経費関連書類とその他の重要書類編〜』についてご紹介します。