以下のコラムで税務調査の対策方法をご紹介しました。税務調査では、調査官が訪問するまでに事前準備が必要です。
税務調査の対策方法のコラムについてはこちら↓
『突然の電話⁉︎税務調査にどう立ち向かう?:専門家が教える税務調査対策のコツ』
事前準備で行う書類の整理では、どの書類を整理すべきか?など理解しておく必要があります。
しかし、いざ整理しておいたのに調査官に指摘されたなどの経験をしたことがありませんか?
本コラムでは、前回までのコラムに引続き、税務調査の必要書類等の準備リスト(仕入・経費関連書類とその他の重要書類編)と指摘されない対応方法などをご紹介したいと思います。
税務調査の準備リスト
仕入・経費関連書類
仕入・経費関連書類については、以下の書類を準備しましょう。
- 旅費精算書
- 支払い領収書
- 稟議書(特に交際費支払いの根拠となるもの)
- 納品書
- 請求書
- 発注書
- 買掛帳
⭐︎知っておきたいポイント!
これらの書類は現預金出納帳と照合できるよう整理しておきます。特に交際費については、支出の妥当性を説明できるよう準備しておくことが重要です。
その他の重要書類
その他の重要書類には以下のような書類があります。
- 議事録
- 印紙税の課税文書
- 給与規程、就業規則などの内部規定
⭐︎知っておきたいポイント!
これらの書類も提示を求められる場合があります。必要に応じて提示ができるよう準備しておきましょう。
税務調査で指摘の多い重要な書類
請求書、納品書、領収書などの証憑書類
これらの書類は取引の実在性や金額の正確性を裏付けるものとして重要です。
これらの書類は税務調査において特に重要であり、不備や不自然な点がある場合、詳細な説明を求められる可能性が高いです。したがって、日頃からこれらの書類を適切に管理し、正確に記録することが重要です。
税務調査で指摘される書類の不備についての具体例
領収書・請求書の不備
- 宛名や日付の記載漏れ
- 内容が不明確な領収書(「お品代」など具体性に欠ける記載)
- 高額な経費に対する詳細な内訳の不足
電子帳簿の不備
- タイムスタンプの未付与や付与遅延
- 訂正削除履歴の未保存
- データの改ざんが可能な状態での保存
※電子帳簿って何?
紙でやりとりしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書など)に相当するデータを電子データとして保存したもの。
これらの不備は、単純なミスから意図的な不正まで様々です。電子帳簿については、訂正削除履歴の確保やタイムスタンプの付与など、特有の要件があることに注意が必要です。
これらの不備を防ぐためには、日頃から正確な記録を心がけ、定期的なチェックを行うことが重要です。また、不明点がある場合は早めに税理士等の専門家に相談することをお勧めします。
まとめ
本コラムでは、税務調査の事前準備における必要書類の準備リスト〜仕入・経費関連書類とその他の重要書類編〜と対応方法についてご紹介しました。
経費関連書類については、不自然な点がないように支出の妥当性を説明できるように正確な記録が重要です。
また、電子帳簿保存法により電子帳簿等の保存義務が定められるようになりました。保存方法等が定められているので不備がないように注意が必要です。
書類に不明な点がある場合には、早めに税理士等の専門家に相談しましょう!
計4回のコラムにわたり、税務調査の準備リストと対応方法についてご紹介しました。
前回までのコラムについては以下からお読みください。
第一回
『税務調査の準備リストと対応方法〜会計・財務関連書類編〜』
第二回
『税務調査の準備リストと対応方法〜取引関連書類編〜』
第三回
『税務調査の準備リストと対応方法〜人事・給与関連書類編〜』