こんな悩みを解決
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アプリやクラウド会計で帳簿をつけているが、税務署に通用するのか不安
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自動仕訳やレシート読み取りに頼って良いのか判断できない
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調査で「信用できる帳簿」とされるための条件を知りたい
結論(断定)
帳簿はアプリ任せでも問題ない。ただし「税務署が信用できる帳簿」と判断するには、正確性・継続性・証拠性が満たされていることが絶対条件である。アプリやクラウドは単なるツールに過ぎず、入力精度や証憑保存が伴わなければ帳簿としての信頼性は認められない。
制度のポイント整理
信用できる帳簿の条件
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正確性
取引事実を漏れなく、金額・日付・取引先を正しく記録している。 -
継続性
一度決めた処理方法を毎期継続して用い、恣意的な変更をしていない。 -
証拠性
領収書・請求書・電子取引データなど、帳簿を裏付ける証憑が揃っている。
電子帳簿保存法との関係
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電子取引は必ず電子保存が必要。紙に印刷して保存するだけでは違法。
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スキャナ保存や電子帳簿保存を行う場合は、検索要件や改ざん防止措置を満たす必要がある。
アプリ帳簿の注意点
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自動仕訳は便利だが誤判定もあるため、最終確認は人が行う必要がある。
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銀行連携やクレカ連携だけでは「現金取引」「証憑確認」が抜け落ちるリスクがある。
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バックアップや操作権限管理を怠ると、証拠性が損なわれる。
実務アドバイス:今日から始めるステップ
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アプリの仕訳結果を必ず確認する
金額・取引先・勘定科目が正しいかを月次で点検する。 -
証憑を必ず紐づけて保存する
領収書や電子取引データをアプリ内で画像保存し、検索要件を満たすように整理。 -
バックアップ体制を整える
クラウド任せにせず、定期的にデータをエクスポートし、外部保存しておく。
注意すべきポイント
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「アプリだから大丈夫」という思い込み
入力や証憑が不十分なら、どんなアプリを使っても信用性は得られない。 -
電子取引の紙保存はNG
税務署は電子保存義務を必ず確認する。印刷だけでは否認リスクがある。 -
不自然な修正は疑われる
調査では修正履歴やアクセスログも確認される。改ざん防止機能を備えた運用が必要。
まとめ
アプリ帳簿はツールに過ぎず、信用できるかどうかは運用次第である。
正確性・継続性・証拠性を満たせば、税務署も認める帳簿となる。
日々の確認と証憑保存を徹底することが、安心経営の第一歩である。
出典
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国税庁「帳簿書類の保存期間」
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国税庁「電子帳簿保存法」
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国税庁「電子取引データ保存」